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飼い主がリーダーになるために

飼い主に注目させる。
犬の注意をひきつけることは飼い主とのコミュニケーションの第一歩です。はじめは一瞬でも目が合ったら犬の名前を呼びほめます。少しのおやつを手に持って犬の注意を引きながら自分の顎の下にもって行き、目を合わせる練習も効果的です。名前を呼ばれたらよいことが起こるから、飼い主を見たいと犬が考えるようにします。

犬の言いなりにならない。
犬がなでて欲しい、抱っこして欲しいなどと鼻先を押し付けたり、前足でつついたりして要求するときには、リーダーとしてまず簡単な号令に従わせてから要求にこたえてあげましょう。号令(要求)を出す側とそれに従う側をいつもはっきりと示してあげましょう。

食事は飼い主が管理する。
何時でも食べられる自由給仕はやめ、1日2回(子犬は数回)に分けて与え15〜30分ぐらいで中身が残っていても食器を片付けてしまいます。食事の時間は、飼い主の都合で1〜2時間の幅をもたせます。毎日同じ時間に与えているとそれが習慣となって少しでも食事の時間が遅れるとパニックをおこすようになることがあります。散歩の時間も同じです。

食事は飼い主が先にする。
群れの中では地位が上のものが先に獲物に口をつける権利をもっています。数分でもよいですから飼い主が先に食べ、その後に犬に食事を与えます。犬のルールでは上位のものだけが下位のものの食事を横取りすることができます。ですから、決しておねだりに屈して食べ物を与えてはいけません。もし無視することができない状況であれば、犬が近づけないようにしたほうがよいのです。おいしい食べ物は飼い主が出してあげるものであって、犬が自分で要求して手に入れるものであってはなりません。

食事を管理する(食器を守るのを予防する)。
食器には1回量を全部入れずに食事の一部を入れます。食べ終わるのを待って再びその食器に少量のフードを入れます。こうすることで“食事”が飼い主から与えられるということを強く学ぶことができます。また食器に人が近づくことがあるというメッセージを伝えています。このやり方はすでに食器(食べ物)を守るという行動が出来上がってしまった犬には非常に危険ですので、そのような犬には決してやってはいけません。

遊びを管理する。
犬と今まで以上に遊んであげることもコミュニケーションに重要です。しかし、犬が遊びのルールを理解するまでは飼い主が“始めと終わり”をはっきりと犬に示す必要があります。犬が“遊ぼう”と誘ったときは簡単な号令(お座りなど)をかけて、それに従った”ごほうび”として遊びを開始します。終わるときも“犬が疲れたからやめる”のではなく、飼い主が終わるときを決定します。おもちゃは毎週2〜3個ずつ交互に取り替えながら犬に与えていくと(貸してあげると)“おもちゃを管理するのは飼い主”というメッセージとともに“いつも新しいおもちゃ(おもちゃを飽きさせない)”という意味があります。全てのおもちゃを管理するという方法もありますが、一人遊び用のおもちゃを与えないと別の問題(物を壊す)が出てくることがあります。

身体を触らせる。
体中のどこでもやさしく触られたり、身体を拘束されたりしても平気でいられるようにします。1回に長時間練習するよりも短時間で1日に何回か繰り返した方が効果的です。すでに身体を触られることを嫌がるようになっている犬には決して無理をさせないようにすることが大切です。

すべての通行権は飼い主がもつ。
門や玄関では必ず飼い主が先に通ります。また、飼い主がそこを通るときには犬をまたいだりせず、その場をどかせてから通ります。しかし、すでに寝ているところを邪魔されることを嫌がる犬や飼い主に対しての主張が激しい犬では危険なことがあります。

マーキング行動をやめさせる。
マーキング行動は自らの縄張りを示し、他者にそこの支配者は誰であるかを知らせるコミュニケーションの手段の一つです。その場所はたいてい、縄張りの境界線の近く、例えば庭の垣根沿い、玄関前の電柱、室内であれば窓や出入り口に近いところです。このようなマーキング行動を許しているとますます縄張り(テリトリー)を守り、主張するようになります。散歩に出るときには犬の好き勝手にマーキング(におい付けのための排尿)をさせないようにすることも大切です。去勢手術によってこの行動を抑えられることがあります。

散歩中の注意
散歩中に犬に気を使いすぎていませんか? 犬にずっと注目して歩いていると、犬は“いつも飼い主がついてきてくれるから大丈夫”という勘違いをしてしまいます。飼い主が進む方向を決め、犬をリードして歩きましょう。当たり前と思われるかもしれませんが、意外とこれができていないことが多いのです。

綱引きゲームはしない。
引っ張られたら引き返す、押されたら押し返す、これはわれわれにも当然の習性ですね。犬が引っ張る、すると人が引っ張り返す、また犬が引っ張り返す、つまり散歩中にずっと“綱引きゲーム”をしていることになります。また、飼い主は“引っ張られて、引っ張り返す”時に犬によく声をかけます。例えば、“いけない”、“ノー!”あるいは名前を呼んでいませんか? これは犬に対して応援のメッセージとなってしまいます。つまり飼い主が一緒になって興奮して励ましてくれていると犬は勘違いして、ますます引っ張るようになります。感情は伝染するのです。こちらが冷静な態度を示さなければ犬も冷静になりにくいようです。また、声をかけなくても“犬をじっと見つめる”ことも犬にとっては“私に注目してくれている”と感じてしまうようです。

電信柱法?
犬が引っ張ったら電信柱になりましょう。

電信柱は :動きません。
       :しゃべりません。
       :気持ちを持っていません(中立です)。
       :犬に注目しません。

今までは“引っ張ると”→
     :飼い主は引っ張り返すか、
      あるいは引きずられていました。
     :“いけない”と連呼したり、
       名前を叫んだりしていました。
     :感情的になったり、
       イライラしたりしていました。
       緊張していたかもしれません。
     :犬をじっと見ていました。

犬が引っ張ったとき、飼い主が電信柱のように無反応であれば、犬は“あれっ何も反応しないぞ、動かないぞ”→ 冷静に戻るのが早くなります。飼い主は犬が落ち着いたら再び歩き始めます。そこで犬はどうしたら散歩(楽しいこと)が続くか、そして引っ張ると思い通りにならないことを知ることになります。このとき(電信柱になっているとき)のリードの長さ(安全性)には十分注意してください。
体力的に電信柱になれない(引きずられてしまう)人は、ヘッドハルター(ジェントルリーダー、ハルティー)あるいは引っ張り防止胴輪を使って電信柱になってみてください。

正しい行為には報酬を与える。
私たちは犬が正しく歩いているとき(リードがゆるい状態で歩くペースがよいとき)には何も声をかけず歩いていることが多いと思います。逆に引っ張っているときにはそれをやめさせようとして声をかけてしまうことが多いようです。これからは上手に歩いているときにこそ声をかけてあげましょう。散歩は飼い主と犬とのコミュニケーションの時間です。お互いに無言で歩いていても面白くありませんから、飼い主の居ることを忘れて自分で面白いことを見つけようとして匂いをかいだり、先に行こうとしたりしているのかもしれませんね。“ようし、いい子だ、こっちに行ってみよう、そうだよ!”と望ましい行動には声をかけるという報酬をいつも与えましょう。ダメ、ダメだけでは犬は理解できません。声をかけてあげるだけではなく、”ごほうび”(食べ物)も利用して正しい行動をほめてください。

散歩コースは一定させない。
犬が催促するとき、犬が先頭になって、犬が行きたいところに、犬のペースで散歩をしていませんか? これでは飼い主がリーダーにはなっていません。次第に犬は自分がリードしているように考えてしまうかもしれません。散歩の主導権はリーダーである飼い主が持っていなければなりません。

毎日の散歩でできること
1. リードをつけるときには“お座り、待て”をさせる。
2. 門(玄関)を出るときには必ず飼い主が先に出る(座れ、待て、よし!)。
3. 毎日同じ道を歩かずに時々コースを変える。
4. 地面の匂いをかぐのを許可する場所と許可しない場所を飼い主が決定する。
5. 犬がどうしても角を曲がるときに引っ張るとき(犬が駄々をこね、飼い主も散歩のコース上そこを曲がらなくてはならないとき)は、曲がり角で“お座り”の号令をかけ、それに従ったことに対して曲がるようにする(曲がることが犬にとっての”ごほうび”となる)。

飼い主に時間がある時(休日など)
1. 犬が行きたい方向にはあえて行かず、飼い主が行く方向を決める。
2. 犬が引っ張ったらその場所で飼い主は“電柱”となり動かない。犬がリードの範囲でリラックスできたら進む。
3. 飼い主は雑誌などを持って散歩に出かけ、所々で小さな公園や神社のベンチに腰掛けて雑誌を読む。→飼い主のペースで散歩をする。