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犬はどうやって学習するか?

犬は行動の結果をもとに学習します。つまり経験によって学習するのです。犬は初めから私たちの言葉を理解しているわけではありません。言葉を理解していない犬に号令をかけても従うはずはありませんし、同じ言葉を連発しても犬はただ“うるさいなぁ”と思うだけかもしれません。

例えば、私たちが聞いたことのない外国語で“座ってください”といわれ、理解できずに座らなかったために叱られたらどんな気持ちがするでしょう? 座る姿勢に誘導しながら“座ってください”と言われ、座ると同時に誉められたなら、その言葉と座るという動作が結びつくことでしょう。

犬も同じです。まず“動作”を誘導し、それを意味する言葉=号令と結び付けます。これを何度か繰り返すと“動作”と“号令”が同じものということを理解するので“号令”をかけると“動作”を導くことができるようになります。

“動作”を誘導し、正しい行動を導くことができたら“号令”とともに“正しいことをした”ということを犬に知らせます。これは“ある反応のあとでほうびを与えると、その反応を継続あるいは反復する回数が増す”という理論に基づくものです。

例えば、犬が通りすがりの車に吠えつく、すると車は逃げていく(通り過ぎる)。このことも行動−反応−報酬となり、反応(吠える)はどんどん強化されていくことになります。

また、この様式で犬は常時学習していることになるため、健康な犬は老齢になって思考および認識能力が低下するまではいかなる年齢であっても学習できることになります。そして、特定の行動に対して一貫した見返りがあれば学習速度は速まることがわかっています。新しい行動をしっかり覚えさせるまではこの方法を使っていきます。

犬の好ましい行動を強化するために使うことができる簡単な手段は、食べ物、ほめ言葉、
なでる、遊ぶなどです。犬にはボールで遊ぶのが何よりも好きなものもいれば、食べ物が
生きがいの犬もいるわけです。

また、”ごほうび”をあげると同時にほめ言葉(例えば“いい子”であったり“よしよし”であったり)を与えると、”ごほうび”と“ほめ言葉”の意味が結びつき、将来的には“ほめ言葉”は”ごほうび”と同等の意味をもつようになっていきます。つまり、食べ物はその行動を導くものであると同時に“正しいことをしたよ”という情報を知らせる役割をするわけです。

“ごほうび”を使ったしつけに対して、ほうびがないときにはやらなくなると危惧する人がいますが、““ごほうび”がないとやらない”というのはその食べ物が行動を誘導する目的にしか使われていないことから起こる失敗です。

毎回報酬を与えることによって、その行動が強化され一貫性を持ってできるようになったら、次の段階として”ごほうび”を断続的に与えるようにします。つまり、”ごほうび”をもらえるときもあればもらえないときもあります。正しい行動をしていることは、犬がほめ言葉を理解していることで伝わっています。

この方法はいったん定着した行動に対して行動を消滅しにくくさせる方法です。われわれが宝くじを買ったり、釣りに行ったりするのと同じことです。