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愛犬のしつけハンドブック
湘南獣医師会
人と犬の関係

私たちと一緒に生活している犬たちの祖先は狼です。犬が家畜化されてから数千年といわれていますが、狼の本能は消えてしまったわけではありません。狼は群れを作って生活する動物であり、犬も狼と同じく群れを作るという性質をもっています。群れには必ずリーダーが必要です。リーダーの指示に従って行動して狩りをして獲物(食べ物)を手に入れます。リーダーは群れの安全を確保するためにテリトリー(生活領域)を確保し、外敵から群れを守ります。また、自ら群れの秩序を守るものとして一番初めに獲物(食べ物)を食べ始めます。
人間社会に暮らし始めた犬にとっての群れとは犬を含めた家族、つまり私たちです。犬は人間社会のルールを理解して暮らしているのではなく、母犬と兄弟犬(群れ)を離れ、新たな群れに加わったのだと考えているのです。

犬は私たちの家庭にやってきたそのときから、私たちのしぐさや動きを読み取り、彼らの言葉(ボディランゲージ)に照らし合わせて物事を理解しています。私たちが意識していてもしていなくても、私たちのしぐさや態度が犬に新たな群れのルールを教えているのです。

犬もまたたくさんのボディランゲージを使って群れの中での自分の順位、力の及ぶ範囲の確認をするべく考えているのです。

そこで私たちは犬にわかるように群れのリーダーは人間であることを伝える必要があります。社会的(群れを作って生きる)動物である犬は、安心して生活するために優しくて頼りがいのあるリーダーを求めています。

群れの中で無用な争いを避けるためには縦の関係、つまりどちらの順位が上なのかという地位がとても大切です。複数の犬と暮らしている場合にはこの順序を人も守る必要があります。先になでてあげる、声をかける、また食べ物を与えるという順序はとても大切なのです。

しかし、人間がリーダーになることは言葉や乱暴な体罰による威圧ではなく、普段の生活の場面で伝えることができます。犬の本能を知っていれば日々の生活の中で穏やかに知らせることができるのです。

よいリーダーとは決して独裁的に力で相手をねじ伏せるものではありません。犬が人をリーダーとして認めて信頼すれば、犬は自分の行動決める上でリーダーの意向を守ろうとする本能をもっているのです。

もちろん人間は犬が信頼するに足るリーダーとして行動しなければなりませんから、責任は重大です。犬にとって、群れの安全の確保(安心していられる)、移動ルート(散歩)の指示、食べ物の管理(リーダーが先)などはリーダーの仕事なのです。